2017年12月22日金曜日

トレジャーハントの考察

概要

ここではインペリアルサガの定期イベント、トレジャーハント(2017/12/14実装)についての考察です。
実装時点での仕様についての考察であり、今後のバージョンアップで仕様と食い違うことがありえます。

対人戦要素

対人戦としてはマッチング問題というのがあり、適切な相手をマッチングさせるというのは意外と難しいです。
トレジャーハント(と前身のコンバット)では非同期でのマッチングですので、同期的なマッチングに比べると、いくらか考慮しなければいけない点は少なくなります。
とはいえ、根本的に同じ実力同士が対戦する二人対戦の場合、勝率は50%前後になり、一般のプレイヤーは勝てない感覚をもつので、それは強いストレスになります。
余談として、二人対戦ゲームでは、トッププレーヤーは勝率が65%ぐらいで結構いい数字という評価ですが、これは強豪の中での勝率であり、ランクの下との相手では勝率はぐんと跳ね上がります。

一般論として、ほぼ同じ実力同士の対戦の勝率は50%とみなせます。
インサガの対人戦は、(選択肢はすくないものの)対戦相手を選べる点と、対戦相手の攻撃はオート戦闘(俗にいうCPU)なため、実際の勝率は50%よりもかなり高くなります。
とはいえ、相性ではほぼ勝てないという構成もあるので、実力差がかなりつかないと100%近い勝率は難しいでしょう。
上記のことを加味して、適切なディガーランクでの勝率は90%程度と仮定して話を進めます。
トレジャーハントの場合は、コンティニューという救済措置はあるものの、5連勝しないと報酬が得られないので、5連勝する確率は、
\[ 0.9^5≒0.59 \] で、おおよそ60%の確率になります。
これは、5回に2回はコンティニューしていることになるため、体感的には勝てないと感じるはずです。
一方、1戦の勝率が95%の高い場合でも5連勝する確率は、
\[ 0.95^5≒0.77 \] で、80%は切ってしまいます。
これは、連勝というシステムを採用するうえで、仕方のないものでしょう。
とはいえ、この状況はプレイヤーとしてストレスを感じるのではないでしょうか。

初日の実際のマッチングは自分のディガーランクとその1つ下と当たっていたのではないかと予想しています。
とはいえ、同一ディガーランクのなかにも幅があり、様子見でディガーランクを抑えていた人もいたはずなため、自分よりもあきらかに強い相手もいたといたようです。
そのため、ここで仮定した勝率90%よりもはもっと低い場合があったと思われます。
一方、トレジャーハントのマッチングルールがリリース1日で調整され、対戦はより下のランクと当たるようになりました。
このため、適切なディガーランクで挑戦していれば、1戦ごとの勝率は95%以上というのも十分にあったと思います。

選択肢

ゲームというのは、選択肢の連続という見方もでき、ここが面白いと感じる点でもあります。
トレジャーハントにおいて、プレイヤーはゲームからいくつかの選択肢は提示されています。
ここで言う選択肢というのは、対戦相手、宝箱報酬、クリア報酬について、どのルートをたどるのが自分にとって最適なのか、というものです。
実際は14パターンのルートがあります。
しかし、これはゲームから提示されているようで、実際はほぼ選択肢はほぼないです。
宝箱報酬や財宝探索報酬を最大化するようなルートは1つないし2つぐらいしかなく、そうなると、対戦相手は選べないです。
また、宝箱報酬と対戦相手の強さに相関はあまりなかったようなので、宝箱報酬を捨てて確実に財宝探索報酬が欲しいというような、戦術の幅みたいなものはそもそもないです。

ただし、選択肢がたくさんあることがプレイヤーにとって本当にいいのかという問題もあります。
選択肢がたくさんあるということは、それだけプレイヤーは1手1手考えることになります。
トレジャーハントでは、プレイヤーは5連戦する仕様上、全15チームの対戦相手から適切な5チームを選ぶには、ちゃんと対戦相手を見る時間がかかります。
そうなるとプレイのテンポが悪くなり、数をこなすものとは相性が悪いでしょう。
トレジャーハントは1週間のイベント中、60回程度はプレイされる想定なめ、仕様をこのぐらいの複雑さにしておくというのは、理解はできます。

一方、「撤退」という選択肢はあってもよかったのではないかと思いました。
ここまでの宝箱報酬はいいが、次の対戦相手を見てどうしても勝てないので、報酬を得たまま撤退するというものです。
現時点の仕様では、撤退はすべての報酬を失ってしまうため、撤退という選択肢はまずないです。
ゲーム仕様として「コンティニューをさせたい」という意図は感じますが、宝箱報酬と財宝探索報酬との兼ね合いで、撤退するかコンティニューするかもという、チキンレースとしての選択肢になりえると思います。

有限報酬の確率

財宝探索報酬で有限報酬が1つ以上出る確率は、よくある「少なくとも~が出る確率」問題です。
この逆の事象は、すべて無限報酬が出る確率で、1からこの確率を引くことで、有限報酬が1つ以上出る確率を求めることができます。
計算としては、求める確率をP、有限報酬が出る確率をpとすると、\[ P = 1 - (1-p)^3 \]となります。
具体的な数値は、すでに攻略サイトで、表として掲載されています。
では、有限報酬をすべて得るためには、目安として何回周回するのがいいのでしょうか?
逆に運営が想定する60回程度のプレイではどのランク以上がいいのでしょうか?
この問題は、成功が有限報酬が1つ以上出る確率、失敗がすべて無限報酬が出る確率の、二項分布として考えることができます。
トレジャーハントでのプレイ回数というのが、二項分布での試行回数にあたります。
計算などの細かいことは省きますが、このトレジャーハントの成功確率と試行回数が60回以上の目安の場合は、二項分布は正規分布へと近似することができます。
正規分布へと近似するメリットは、確率計算がしやすくなるためで、ここでもその近似を行います。

では、実際に計算してみます。
ここで試行回数nは、60です。
ディガーランク8の場合の成功確率pは計算すると、78.4%です。
中央値μは近似として期待値とみなせるので、 \[ \mu=np=60\times0.784=47.04 \] です。
標準偏差σは、 \[ \sigma=\sqrt{np(1 − p)}=\sqrt{60\times0.784\times0.216}=5.08 \] です。
これらの数字が出そろえば正規分布の確率を求める方法から、有限報酬が得られる個数の確率が出せるようになります。
有限報酬が47個以上はおよそ中央値μ以上であるため50%になります。
有限報酬の全個数は50個ですので、プレイ回数的やディガーランク的にこのあたりが一つの目安の数字になっていると思われます。
(余談ですが、ランク9の場合は期待値は50であります。)
42個(μ-1σ)以上の場合は84.1%、37個(μ-2σ)以上の場合は97.7%、32個(μ-3σ)以上の場合は99.9%となります。
40個以上については計算すると、おおよそ91.9%になります。
なのでおおよそですが、ディガーランク8で60回プレイした場合、有限報酬は40個以上は手に入る可能性が高い、という認識でいいと思います。
よって、ざっくりですが、このような方法でディガーランクやプレイ回数を考慮して、有限報酬の獲得見込みを概算で出してみるとプレイの目安になると思います。

話を変えて、一方、有限報酬の虹色武器の入手ですが、有限報酬の個別の報酬の確率がすべて均等であるなら、1回目での虹色武器の入手確率は$\frac{1}{50}$になり、手に入らない確率は$\frac{49}{50}$にます。
上記前提で有限報酬は40個手に入る場合に、虹色武器が手に入らない確率は、回数を重ねるごとに全体の個数が減るので以下の計算になります。
\[ \frac{49}{50}\times\frac{48}{49}\times\frac{47}{48}\times\dots\times\frac{11}{12}\times\frac{10}{11}=\frac{10}{50}=0.2 \] 結果、20%という、ちょっと微妙な確率になっています。
現状だと、虹色武器の入手を考えているなら、ほぼ50個取り切るつもりでプレイしなければ取りこぼしはありえると考えた方がよさそうです。
このあたり、運営から何かしらテコ入れが入ってほしいところではあります。

コンティニュー

このコンバットから、戦闘ポイントを消費して戦闘を継続させるコンティニューという仕様が入りました。
コンティニューを行うと、HP全回復+能力アップ(ただし能力アップは1度のみ)します。
この仕様自体は、いい財宝探索報酬が出たときに強い対戦相手と当たってしまったときの救済措置として、うまく機能していると思います。
ただし、ある程度コンティニューをさせる前提であるのなら、現状の戦闘ポイントの仕様については、問題点があります。
説明すると、まず、トレジャーハントに挑戦するときに、リスクヘッジとして、最低戦闘ポイントを1ポイント常にプールした状態で挑むのがベストになります。
そうなると、戦闘ポイントの管理が、以前よりも厳しくなります。
以前までの場合は、戦闘ポイントを全部使い終わってから全回復するまでには、8~12時間はあけていました。
今回のように、常に戦闘ポイントを1つはプールすることになると、全回復するまでには4~8時間となり、以前に比べ戦闘ポイントがオーバーフローする可能性が高くなっています。
また、トレジャーハントをこまめにプレイする必要も出てくるため、インペリアルサガ自体のプレイにより拘束されることになります。
これは以前より強いストレスをプレイヤーに与えることになっています。
この仕様については、何かしらテコ入れが入ってほしいと思うところです。

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